仕入先への支払ができない場合の対応方法
2013.05.23 更新
リスケジュールをして、銀行への返済はストップしてもらった。
税務署とも交渉をし、税金も分割にしてもらった。
もちろん社長の役員報酬もぎりぎりまで引き下げた。
にもかかわらず、どうしても今月お金が無い。
取引先に払えない。
という状況に陥ることもあるでしょう。
そのような場合の対処法についてお伝えします。
◆仕入先への対応は大変です
基本的に、仕入れ代金は支払の優先順位が高いです。
金融機関への返済はストップしてもらっても、仕入れ代金は払うべきです。
仕入代金を滞納し、仕入れができなくなると商売ができませんから。
しかし、それでも払えない、という場合。
結論としては、待ってもらうことになります。
しかし、それは実は意外と大変だったりします。
銀行や税務署、さらにはノンバンク(いわゆる消費者金融であっても)は、
法律をちゃんと理解していますし、仮にあなたから回収できなくても、
それですぐに致命的なダメージを受ける、という訳ではありません。
なので、払えません、となっても、すぐに無茶なことをしてくることはまずありません。
しかし、仕入れ先となると、法律的なことはまず詳しくありません。
守秘義務といったものもありません。
さらに、仕入れ先自体零細規模だと、あなたからの回収ができないとすぐに大打撃を被る可能性があります。
したがって、相手も必死で回収しようとします。
結果、無茶なことをしてくることもありますし、交渉どころではない、というのはよくあることです。
◆対処方法は?
では、対処方法は、というと。
基本的には、誠心誠意お願いするのが第一です。
これこれこういう理由で今月は払えない、いつなら払えます、申し訳ないが待ってください、と説明するということです。
間違っても無断で滞納したり、FAXなりで一方的に通知したりで済ませないでください。
また、まずは当然社長が頭を下げることが必要でしょう。
いきなり弁護士などの専門家を立てると、それだけで相手の感情を刺激します。
まずはしっかり話をしましょう。
「払うか払わないか」という0か100かの話ではなく、半額は先に払うから残りは分割、というような提案も可能です。
あるいは、待ってもらう分いくらか上乗せします、という案もありますね。
現金では払えなくても、代わりにあなたの方でもその取引先に何かを提供してあげて、
相殺する、という方法もとれるかもしれません。
結局これは交渉事なので、相手ありきです。しっかり意思の疎通をとりましょう。
◆法律知識をしっかり身に付けましょう
さて、それでも全ては払えないし、お願いしても納得してくれない相手がいる、という場合。
この場合は、仕入れ先の中でも優先順位をつけざるを得ません。
つまり、この取引先から仕入れができなくなれば事業継続できない、というところを優先せざるを得ません。
優先順位の低い仕入先にはお待ちいただくということになります。
それで何もしてこないところも当然あるでしょうし、
強引なことをしてくる取引先もあるでしょう。
もしその取引先が、
「払えないなら商品を持っていく!」
と強引に引き揚げようとしたら・・?
それは窃盗です。
警察を呼びましょう。
もしその取引先が、
「払わないなら火つけるぞ!」
と脅したら?
脅迫ですね。
やっぱり警察に行きましょう。
もちろん払えないのはあなたが悪いのですが、
だからといって法を無視して良いわけではありません
(そもそもその行為が違法だと知らない人も多いのですが)。
まあ、警察云々というのは実際にそうするかは別として、
あなたも相手も、しっかり法律を知っておく必要があります。
なお、あなたの方から裁判所を利用して、
支払の話し合いの場を設けてもらうという方法もあります。
「特定調停」
「債務弁済調停」
というものです。
裁判所を通じてのやりとりになりますので、取引先もおとなしくなる可能性が高いでしょう。
今回は詳細はご説明しませんが、そういう方法もある、ということです。
自身を守るためにも、正しい知識を身に付けて、しっかり理論武装してください。
◆もっとも重要なこと
今回の記事のテーマは、別の機会でももっとお伝えしたいと思いますが、
やはり一番大事なのは日ごろからの取引先との信頼関係でしょう。
困った時に助けてくれる、そういう関係を築くのが最も重要でしょうね。
「仕入業者なんか、適当に扱えば良いんだ」
「金払っているのだから無理を言っても許される」
なんて社長を助けてくれる取引先などいないでしょう。
あなた自身の日ごろの対応も、是非考えてみてください。
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