小さな会社が生き残るための手順
2013.09.17 更新
経営不振の小さな、いわゆる零細企業が再生するためにはどのような手順を踏めば良いでしょうか?
これは、その会社の状況にもよるので一概には言えません。
状況に応じて、取るべき施策が変わります。
①まだ資金繰りに余裕がある状況
赤字ではあるが、資金面では当面心配はない、という場合です。
この段階では、まずは事業内容や資産等を見直します。
いわゆるリストラ、ということを行います。
なおリストラとは、「人員整理」のイメージが強いですが、それだけがリストラではありません。
リストラ=リストラクチャリング、再構築という意味です。
事業を見直し、不要な部分は切り捨て、必要なものには資源を集中させる、といったことを行います。
具体的には経費や人件費の見直し、不採算事業からの撤退、借入条件の見直し、遊休資産の売却、業務効率の改善などです。
これにより、赤字の脱却、無駄な資産を売却することでスリム化、過大な負債を圧縮するといったことができれば、この時点でひとまず再生可能、となるでしょう。
これでも立て直せない、という場合は次のステップに進む必要がありますが、まずはこの時点でのリストラをしっかりやるべきです(おそらく多くの零細企業では何をすれば良いか?わからず、そのまま次のステップを迎えることになっているでしょうけれど)。
②資金に余裕がなく、このままでは枯渇する、という場合
金融機関への返済をストップします。
基本的には、金融機関と交渉し、合意の上で返済条件を変更してもらう「リスケジュール」を行うことになります。
銀行への返済が多いために資金繰りが厳しい、という状況ならば、銀行返済をいったんストップすれば資金は落ち着きます。
その間に売上アップや資産の売却等(リストラ)を進め、再生を図る、ということです。
デメリットとしては、リスケ期間中は新たな融資を受けるのが基本的に不可能であること。
また、リスケを申し込むにもそれなりの資料(資金繰り表、試算表、借入残高表、事業計画書等)を提出する必要があります。
日頃からそのような資料に触れていないと、何がなんだかわからないでしょう。
税理士や、再生の専門家に相談しましょう。
なお、リスケはあくまで返済を一時ストップするだけのものです。
資金が楽になったからといって、ホッとしてそれまでどおりのことをしていても、結局は経営は改善しません。
リスケ期間中に、返済を再開しても余裕がもてるだけの経営状況にすることが重要です。
なお、金融機関以外の支払に関しても、交渉して期間を長くしてもらう、遅らせてもらうなどの対応が考えられます。
③上記対応では解決困難な場合
この場合、どのように対応していくかは会社の状況や社長の考えにもよります。
法律を使ってスマートに解決するのなら、例えば会社分割という方法で、儲かっている事業だけ切り離して別の会社にして生き残らせ、不採算部門は倒産など整理する、という選択もあります。
弁護士に介入してもらい分割交渉をしたり、裁判所の調停を活用する、という方法もあります。
泥臭く生き残ろうとするのなら、
「払えないものは払えない」
というスタンスで、支払をストップしてしまうことも考えられます。
最悪の事態が
「営業が継続できないこと」
だとすれば、営業が継続できてさえいれば何とかなるわけです。
仮に支払ができなくても、手形不渡りになっても、倒産ではありません。
「支払ができない場合、何が起こるか?」
を理解していれば、実は
「支払ができなくても営業を継続することは可能」
だと気付きます。
精神的にはきついでしょうが、本業でしっかり利益を出せるならば、泥臭く生き残ることは可能です。
このように、零細企業の再生は状況によりとるべき方法が違います。
まずは、現状を把握しましょう。
そして、自社は何をすべきか?考えてみましょう。
「このまま頑張れば、いつかは良くなる」
というのは、ずるずると悪化する原因の一つです。
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