自転車操業にならないために・・安易な借入をしない
2012.12.01 更新
銀行からの借り入れの返済、従業員の給料、仕入代金の支払い、社会保険料、税金・・
今月末の支払がいよいよできなそうだ、銀行からの追加の融資も受けられない。 という場合、まず「払えないものは払えない」と腹をくくることが大事、と前回お伝えしました。
最悪なのが自殺することです。 やめましょう。
そして次に悪いのが、他から借入をすることです。
まずは親戚、知人から借りようとするでしょう。 しばらくはそれでしのげます。
そしていよいよ借りるあてがなくなると次に消費者金融、いわゆるサラ金に手を出します。
1社、2社と増えていき、返済のために新規で借入をするようになります。 ちなみにこの時点ですでに自力での返済はほぼ不可能です。
いわゆる自転車操業の状況に陥ります。
低い金利のお金が返せないのに、より高い金利のところから借りて返せるわけがありません。
消費者金融からも新規で借りられなくなると、貸してくれるのは違法業者のみです。闇金です。
特に自営業や会社経営の方には、FAXやDMで営業が来ます。 「即日融資可能!ご連絡ください!」
このような業者(違法なので、業者と言うのもおかしいのですが)に連絡すると手形・小切手を担保に出すように要求されます。
目先の資金繰りに追われてこのようなところから借りると、いわゆる倒産は目の前です。
利息は10日で1割や、もっと高い業者もありますから、あっという間に返済に窮します。
しかし手形・小切手を担保に取られているので、返済できないと不渡りを起こすという恐怖があります。
何とかかき集めて、返済をします。
そのうち、また違う業者が同じように営業してきます。
実は裏で情報共有していて、実態は同じ業者であることもあるのですが、とにかく「貸しましょう」と言ってきます。
あとはこの繰り返し、あっという間に業者の数も膨れ上がり、パンクするのを待つのみです。
この頃には経営者も返済資金の捻出のことしか考えられないので、ろくに本業に手も付けられません。
親戚、友人にも迷惑をかけ信用を失い、本業もボロボロになり、倒産。
これはオーバーな事例ではありません。 一歩間違うと、こうなってしまう恐れはあります。
返済、支払ができない、というときに、安易に他から借入をしてなんとかしよう、という発想は捨てましょう。
なお、確実に入金のあてがあり、それまでのつなぎに利用する、というのであれば、高い金利の借り入れも絶対NGというわけではありません。
返すあても無いのに、苦し紛れに借りるのはやめましょう、ということです。 周りの人も巻き込んで不幸になります。
このテーマは続きます。