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マーケティングは全ての人が身に付けるべきスキルです

2013.04.04 更新

先日、コンビニでこのようなことがありました。

 

私も含めて、数人が雑誌の立ち読みをしていたのですが、
アルバイトの男性から大きな声で

 

「立ち読みはご遠慮ください」

 

と注意されました。

 

まあ私も含めほとんどの人は立ち読みを辞めました
(一人、構わず読み続ける猛者もいましたが)。

 

さて、あなたはこれを読んでどう思いますか?

もちろん立ち読みしているのが迷惑行為だろう、という意見もあるとは思いますが。

 

◆立ち読みは悪か?

マーケティング的な視点から見ると、立ち読みは必ずしも排除されるべきものではありません。

 

まず、多くの人は立ち読みついでに店で買い物します。

立ち読みをエサに来店を促し、購入に結び付けるという効果があります。

あるいは、外から立ち読みしているお客が見えることで人を呼び込む効果もあります
(店舗の場合、基本的にひとけがあったほうが人を呼びます)。

 

そうすると、立ち読みされて、結果としてその本は買ってもらえなくても、
全体としての売上には貢献していると考えられます。

 

にもかかわらず、そのアルバイトは立ち読みをやめてください、と注意しました。

 

私はその店でほぼ毎日なにかしら買っていましたので、
月10,000円くらいは売上に貢献していたと思うのですが、たぶんもう行かないでしょう。

立ち読みが悪い、と言われても、気分を害したのは事実です。

すぐ近くに別のコンビニもありますので、その店に固執する必要もありません。

 

もちろん、例えば立ち読みにより他のお客の迷惑になるとか、
本が売り物にならずに多大な損害を被るとか、
立ち読みで荒れた売り場を戻す人件費がかかるという合理的な理由があるのであれば、
立ち読み客を排除するべきでしょう。

 

しかし、もしそのような合理的な判断をせず、

立ち読み=迷惑

という考えから注意をしたのであれば、マーケティング的な発想ができていません。

 

 

◆アルバイトの独断でもお客は減る

ただ、今回のメインテーマはそこではありません。

 

問題は、「アルバイトの男性がその行動をした」ということです。

 

彼はオーナーの指示を受けてやったのでしょうか?

そのような様子はありませんでした。

単純に自身の感情や正義感?のようなもので行ったのでしょう。

 

何が問題なのかというと、もし従業員がマーケティング的な知識がないために、
お客の気分を害するような行為をしているとしたらどうしますか?ということです。

 

もしかしたら、今回のコンビニのオーナーはマーケティング的な知識があり、
立ち読みをしても構わないと思っていたかもしれません。

 

そうすると、従業員にマーケティング的な知識が無いせいでお客を流出させ、
売上を減少させてしまっている、ということです。

 

 

これは、今回のコンビニだけの問題ではありません。

 

例えば、あなたがある会社に電話で問い合わせをしたとしましょう。

そこで、こんな対応をされたらどうしますか?

 

あなた「○○という商品はありますか?」

従業員「いえ、うちにはありません。」ガチャッ

 

 

ここまでひどくなくても、あなたの会社の従業員は、今忙しいという理由や、
これ以上仕事を増やされたくないという理由で、適当な対応をしているかもしれません。

 

もしくは、悪意はなくても、そもそも電話一本の価値を知らないかもしれません。

 

例えば50万円をかけて広告を出した。

その広告を見て電話が10本かかってきた。

そうすると、その電話を一本鳴らすのに5万円のコストがかかっているのです。

 

それが分かっていれば、恐ろしくて、適当な対応などできませんよね。

 

 

さらに例を出します。

例えば、経営者であるあなたがマーケティング的な視点から経営戦略を打ち出したとしましょう。

今までのやり方とは変わりますが、大きな成果を出せることはほぼ間違いない、という戦略です。

 

しかし、従業員は文句を言ったり、嫌々やるかもしれません。

今までのやり方が変化するのは面倒だからです。

 

 

さて、これらは一体何が問題なのでしょうか?

ビジネスマナーの問題でしょうか?

会社への愛情をもたせるような社風が無いのが問題なのでしょうか?

 

それらももちろん重要でしょうけれど、私は従業員が

「マーケティング的な考え方ができないから」

だと思います。

 

◆マーケティング的な考え方を持ってもらう

マーケティング的な考え方とは、

 

「お客は一体どんな悩みや願望を持っているのだろう?」

「お客はどうしたら買ってくれるだろう?」

「そのためには自分の会社にはどんな資源があるだろう?どんな仕組みを作るべきだろう?」

というものです。

 

マーケティング的な考え方を学べば、顧客にどう対応すべきかというものが自然と分かります。

ビジネスマナー云々の問題ではありません。

 

マーケティング的な考え方を理解していれば、社内のやり方が変わることへの理解もできるでしょう。

不満も少なくなるはずです。

 

なので、私は経営者のみではなく、一般の社員、アルバイトに至るまで、マーケティングを学ぶべきだと考えています。

 

◆従業員に「経営者の発想を持て」というのはナンセンス

ちなみに、ここまでを読んで

「そうだ!従業員がマーケティング発想が無いのが悪いんだ!経営者の考えを持て!」

と考えるのはナンセンスです。

 

従業員に対して「経営者の立場になって欲しい」とはよく聞きますが、
そもそもそのように考えるのが間違っています。

経営者には経営者の事情があり、従業員には従業員の事情があるのです。

 

経営者が、従業員に対し一方的に

「経営者の感覚をもて」

と考えるのは全く従業員のことを理解できていないと言わざるをえません。

 

したがって、すべきことは

「経営者の感覚をもて!」

と言うことではなく、マーケティングを学んでもらうことです。

 

マーケティングを学んだからといって、それぞれの仕事内容が変わるわけではありませんが
(別に全員がマーケティング業務を行う必要はありません)、
自分の仕事が一体どんな意味を持っているのか、より深い理解をしてもらえるでしょう。

 

まずは、経営者であるあなた自身がマーケティングを学んでみてください。

そして今回の記事の趣旨が理解できたら、是非従業員の方にも勉強してもらってください。

 

素晴らしい社員教育になることは保証します。

 

 

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道場 明彦
道場 明彦
株式会社
あおい総合研究所
代表取締役
保有資格
司法書士/行政書士/事業再生士補/2級FP技能士 他
経歴
司法書士として4年間で600人以上の借金問題の解決のサポートに携わる。 その後会計事務所スタッフとして、2年間で50社程度の税務、会計、経営相談業務を行う。 売上向上、事業再生コンサルティング会社あおい総合研究所を設立し、代表取締役就任。
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