業績難の会社の、社長の自宅を守る方法
2013.04.08 更新
零細企業は、一応法律上会社の体裁になっていても、
事実上は会社=社長個人資産、でしょう。
社長は会社の借入の連帯保証人になっていますし、
会社が潰れれば負債は全て社長にかかってきます。
そうすると、会社の再生とは言いつつも、
社長個人の資産や負債についても考えておく必要があります。
特に大きなものでいうと、社長の自宅でしょう。
「自宅は別に手放しても良い」
という人はあまりいないでしょうから、
どのように社長の自宅を守るべきか、考えてみましょう。
ケースとして、
「会社の業績が悪く、社長の給料があまりとれていない。
社長が住宅ローンを組んで自宅をもっているが、このままでは払えなくなるかもしれない」
という状況を想定しておきます。
◆借換
まず、住宅ローンの借換ができないか、検討してみましょう。
金利や返済年数の見直しで、うまくすれば月数万円返済額が変わるかもしれません。
ただ、会社の業績が悪く、給料もろくにとれていないような状況では
借換は応じてもらえないでしょうし、
仮にできたとしてもそのまま払っていけるかは問題です。
◆リスケジュール
住宅ローンもリスケジュールができます。
つまり、銀行に
「今返済が厳しいから一年間は利息のみの支払にしてもらって、
元金の返済はストップして欲しい」
という交渉をすることができます。
もちろんその分住宅ローンの完済が遅くなってしまいますが、
まずは会社を立て直し、社長の給料もしっかりとれるようにするのが優先事項でしょう。
会社のリスケジュールは知っていても、
住宅ローンのリスケジュールは考えたことが無いという方は多いと思います。
まずは銀行に相談してみましょう。
◆個人再生
住宅ローンを延滞し、保証会社が代位弁済してしまったというケース。
この場合、もう元のローンの返済条件に戻すことはできません。
保証会社と交渉して分割で払っていく、というのも、まず不可能でしょう。
通常ですと、そのまま自宅は競売にかけられることになります。
そのような場合、裁判所の手続きである「個人再生」を利用することにより、
巻き戻しという方法で保証会社から銀行へローンを戻すことができます。
もちろん、約束通り払っていけることが前提ですので、
なんでもかんでもこの手続きを利用すれば大丈夫、というものではありません。
裁判所を利用した手続きなので、ご自身で進めるのはほぼ不可能でしょう。
弁護士、司法書士に依頼する必要があります。
複雑な制度なのでここで詳細はお伝えできませんが、
そのような方法もある、ということは覚えておいてください。
◆その他、泥臭い方法
上記の方法も利用できない、競売にかけられてしまった・・
そのような場合でも、必ず自宅を失う、と決まったわけではありません。
競売にかかってからも、裁判所での数か月以上の期間を経て、手続きは進んでいきます。
そもそも、買い手が現れないかもしれません。
買った人と、交渉の余地があるかもしれません。
他にもなんとかしがみつく方法は無きにしも非ず、でしょう(ここでは書きませんが)。
決してスマートとは言えませんが、自宅を失いたくないならば、
すぐに諦めずにできることをしましょう。
◆そもそも自宅は本当に大事?
さて、自宅が大事、というお気持ちは分かります。
しかし、本当に必要なのか?ということは考えてみてください。
もし自宅にしがみついて、そのせいでもっと大事なことを見失い、
結果として会社を潰してしまっては、社長も破産することになり結局自宅を失うわけです。
もちろん、ご自宅を守りたいという想いは尊重しますが、本当に重要なことは何か?
見失わないようにしてください。
そのような事態になる前に業績を上げたい方はこちら