リスケを検討している会社が最低限知っておくべきこと
2013.09.29 更新
資金繰りが苦しく、リスケを検討している会社が最低限知っておくべきことについて。
資金繰りが苦しい時、まずすべきことは無駄な経費・コストの見直しです。
いわゆる業務リストラというものです。
が、零細企業ではそもそもそぎ落とすコストなど無い場合も多く、業務リストラのみでは資金の流出を止められないことが多いでしょう。
その場合、次に銀行返済の見直しを考えます。
リスケジュール、略してリスケと呼ばれます。
◆リスケとは
まず、リスケとはいったい何か?を知っておきましょう。
リスケとは、銀行と交渉して、返済の条件を見直してもらうことです。
例えば6か月間、利息のみ支払い、元金返済はストップ、などです。
覚えておいていただきたいのは、リスケはあくまで銀行との交渉による、ということです。
銀行の承諾を得て、返済条件を見直す、ということです。
ですから、返済ができずに一方的にストップする、延滞とは違います。
すなわち事故扱いにもなりません。
まずはそこをしっかり理解しましょう。
リスケ=返済を止める、銀行との約束を破る・・などと考えないようにしましょう。
あなたも、仕入れ先や取引先と取引条件の交渉をするでしょう。
銀行にとっての商品は融資であり、その取引条件を見直すという交渉をするだけです。
「これでわが社も終わり・・」なんてことを考えないようにしましょう。
◆リスケをすべきか?
では、どのタイミングでリスケを考えるべきでしょうか。
これは各会社の状況にもよりますが、一つの指標としては、追加の融資が受けられなくなった場合です。
「なんでもかんでも融資を受けて延命しましょう」
と言うつもりは全くありませんが、融資を受けてしばらく資金がもち、その間に経営を立て直すめどがあるのなら融資を受けるべきでしょう。
リスケをすることで追加の融資の可能性はほぼなくなりますので(この先ずっと、ではありません)、リスケをせずにやっていけるならばリスケすべきではないでしょう。
ただ、追加融資を受けても経営改善の見込みがなく、返済がただの垂れ流しになってしまっている場合には、早めのリスケも考えられます。
リスケをすることでとりあえず流出を止め、落ち着いて経営再建できるのならば、そうすべきでしょう。
この場合、追加の融資が受けられなくリスク、今後の設備投資等への影響も踏まえて実行する必要があります。
◆リスケに必要な資料
リスケを銀行に申請する場合には、資料を提出する必要があります。
まず、基本の3点セットとして、
・試算表
・資金繰り表
・経営計画書
これらの資料が必要です。
試算表とは、決算の前までの会社の損益・資産の状況等を集計したものです。
これは、税理士に依頼すれば作ってもらえます。
資金繰り表は、会社の資金が今後どのように推移するか?を予想した表です。
「儲け」ではなく、「現金・預金」がどのように上下するのか、の予想です。
いくら売上が上がっても、掛けや手形での売上の場合、現時点での現金は少ない、ということになります。
そうすると各種支払や返済が大変になる、ということが発生します。
資金繰り表は、そのような状況を見据えて、あくまで現預金の動きを見るもの、ということです。
これは、自分で作る必要があります。
売上や支出の予想を立て、最低半年先までの資金繰り表を作成しましょう。
経営計画書は、今後どのように経営を改善し、返済予定を立てるか、の計画書です。
これまでの経営では駄目だったから返済できなかったわけで、どのように改善し、返済原資を作るか、という計画が必要です。
計画書はリスケ実行の際には要求されない場合もありますが、必ず後から提出する必要があります。
どの資料も、今まで経営や会社の会計に無頓着だった経営者には敷居が高いかもしれません。
自分で作れない、という場合には税理士や再生コンサルタントに相談しましょう。
リスケは口頭で申し入れても構いませんが、必ずこれらの資料は必要になります。
リスケを考えているならば、資料の手配をすぐに始めましょう。
◆保証料について
保証協会付の借入をリスケする場合、保証協会から保証料を追加で要求されることがあります。
保証協会としては、保証する期間が延び、リスクが増えますので、その分の保証料を払ってください、というわけです。
保証料は融資額・保証料率・返済期間等で決まりますので一概には言えませんが、思わぬ額になる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
これらの準備ができましたら、基本的に銀行が主導して手続きを進めてもらえます。
まずは、事前に必要な知識として、最低限今回の内容を知っておいてください。
詳細は、また別の機会で書きますね。
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