債務超過になると即倒産するのか
2013.10.01 更新
債務超過という言葉をご存知でしょうか。
債務が超過している。
名前だけでも、業績難を連想させる言葉ですよね。
債務超過とは、どういう状態なのでしょうか?
債務超過になると、倒産してしまうのでしょうか?
◆債務超過とは
債務超過とは、その会社の資産<負債の状況のことです。
例えば、現金や預金、不動産等の合計が100万円だとしましょう(少ないですがあくまで例です)。
そして、借金や買掛など、いわゆる負債が200万円あるとしましょう。
資産<負債の状況なので、債務超過です。
債務超過になると、負債を払うために資産を全部売り払っても、まだ足りません。
ということは、会社の債権者(会社に対して払ってもらう権利をもっている人達)からすれば、とんでもない事態なわけです。
自分達の債権が回収できない可能性が高いわけですから。
銀行も、債務超過の会社に対する融資は非常に慎重になります。
◆債務超過かどうかの調べ方
決算書を用意して、その中の貸借対照表を見てください。
貸借対照表は、左側が資産の部、右側が負債の部と純資産の部になっています。
資産の部の金額と負債の部の金額を比べて、資産<負債となっていれば、債務超過です。
ちなみにその場合、純資産の部も△がついている、すなわちマイナスになっています。
これは、最初に用意した資本を食いつぶしてしまっている、という状況を表します。
株主としても、紙くずのような株を持っている状況ということになります。
◆債務超過になると倒産か?
このように、債務超過はひどい状況ではあります。
が、すぐに倒産か?というと、そうではありません。
そもそも倒産の定義ですが、基本的に「支払ができなくなった時が倒産」と考えるのが妥当です。
そうすると、いくら黒字で利益が出ていても、近日中の手形が落とせなければ倒産と考えられます。
逆に、いくら大赤字でも、支払に充てるキャッシュが豊富にあれば、倒産はしません。
債務超過であっても、例えば社長が身銭を切って支払資金を出せる・・というような場合、あるいは負債は多いがその分キャッシュもまだある、という場合には倒産しません。
債務超過と倒産は、直接はリンクしないのです。
もちろん債務超過とは今までの赤字が積み重なって起こるものですので、倒産に近い状態であることは間違いありません。
が、債務超過=倒産というわけではありません。
◆債務超過の問題点
まず第一に、融資を受けることが困難になることです。
債務超過は、現在の資産を全部売り払っても債務を全て払うことができないという状況ですから、そこに新たに融資をするのは非常にリスキーなわけです。
したがって、銀行は債務超過を非常に嫌がります。
ただし、債務超過ならば絶対に融資が受けられないかというとそうでもありません。
債務超過が一時的なものであるとか、直近では利益が出て返済力がある、という場合には融資を受けられる可能性もあります。
他に問題点があるかというと・・実は零細企業では、現実的にそれほど問題が生じないケースが多いです。
上場企業であれば債務超過により上場廃止、ということもありますが、零細企業の場合そのようなペナルティはありません。
もともと融資も受けられない会社であれば、ほぼ影響はないと言っても過言ではないかもしれません。
◆債務超過を解消するには
もちろん、影響がなければいいや、という問題ではありません。
できるだけ債務超過は解消し、健全な財務状況にすべきです。
では、債務超過はどうすれば解消できるでしょうか?
第一には、利益を積み上げていくこと。
赤字の積み重ねが債務超過なので、地道に利益を出していけば、いずれ債務超過は解消します。
第二は、増資をすること。
純資産の部がマイナスなのが債務超過です。
純資産の部を増やすには、増資が一番てっとり早いです。
出資を募り、増資をすることで債務超過が解消できます。
第三は、DESを行うこと。
ちょっとややこしいですが、要は負債を資本に組み替えるという方法です。
負債がなくなり、資本が増えるわけですから、債務超過は解消されます。
DESはややこしい話なので、別の記事で説明します。
以上、債務超過の概要を説明しました。
債務超過=即倒産ではありませんが、良い状況でないことは確かです。
解消できるように頑張りましょう。
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