「損して得取れ」を商売に活用するには
2014.04.04 更新
この記事でいつもお伝えしているのは、
「売れる仕組み」
であったり、
「マーケティング」
という分野の話です。
そう聞くとなんだか小難しい理論のように思えるかもしれませんが、その本質は実はとてもシンプルです。
そして、昔から言われてきたことでもあります。
決して珍しい、特殊な話ではありません。
今回のテーマも、そんな内容です。
◆損して得取れ
「損して得取れ」
ということわざがありますね。
一時的に損をしても、将来的に大きな利益になって返ってくることを考えて行動せよ、という意味です。
商売においてもこれは当てはまります。
というか、このことわざを日ごろから持ち出して行動している経営者も多いのではないでしょうか?
「この仕事は安いけど、いつか大きな仕事をくれるだろうから、損して得とれだ」
という具合に。
考え方は間違っているわけではないのですが、ビジネスにおいてはもっと具体的に数字で考えるべきです。
◆具体的な数字で考える
例えば、次の具合です。
飲食店で、普段3,000円のコースを特別価格1,000円で提供するとします。
新規客を集めるためです。
チラシを撒いてお客にアピールします。
この料理が、原価が1,500円だとしましょう。
つまり、原価のほうが高いです。
一人お客が来る度に500円損することになります。
さて、特別価格のチラシを見て、100人の新規客が来ました。
この時点では、500円×100人で50,000円損することになります(チラシの費用、その他経費は除きます)。
ここで、今までのデータから、100人中30人はリピートしてくれるとしましょう。
しかも、リピーターは平均して5回はこの店を利用してくれるというデータがあります。
そうすると、一回本来は1,500円の粗利が取れるお客が、30人×5回利用してくれるわけです。
粗利ベースで、225,000円は見込めている、ということです。
これなら、最初に50,000円損しても、充分やる価値はあるという判断になりますね。
◆感覚で決めない
このように、数字で考えていれば、
「損して得とれ」
が有効である、とすぐわかります。
もし数字で考えていないと?
「具体的にはわからないけど、最初にサービスしておけば絶対リピートしてくれる!」
というあいまいな判断で、いたずらに安売りすることになるかもしれません。
あるいは逆に、
「こんな値段で出したら、大損してしまうから無理」
と、止めてしまうかもしれません。
損して得取れという手法は、新規客を集める上で非常に効果があります。
が、その場合、必ず効果を測定しましょう。
なんとなく、感覚でやっていると、思わぬ損をする可能性がありますよ。
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