忙しい経営者のための業務改善方法・・ボトルネック理論とは?
2013.11.28 更新
これまで、売上アップの手法についてお伝えしてきました。
が、もしかしたら
「忙しくて、これ以上お客が増えても受け入れられない」
という悩みの方もいるかもしれません。
小売やサービス業などでは、解決法としては値上が考えられます。
値上することでお客は減るかもしれませんが、
・その分利益は増える。
・忙しさは緩和されるが、手元に残るお金は増える(または変わらない)。
など、良い事尽くしです。
が、例えば製造業などで、厳しいコスト競争にさらされていると、簡単に値上げはできないかもしれません。
その場合は、内部の処理能力を上げる必要があるのですが、その考え方をお伝えします。
製造業だけではなく、あらゆるビジネスに共通した考え方です。
◆ボトルネックを解消する
ボトルネックという概念があります。
ジュースの瓶などで、細くなっているところがありますよね。
あるいは、砂時計を想像してみてください。
くびれて、細くなっていますよね。
あれがボトルネックです。
ボトルネックがあると、他がどんなに太くても、ボトルネック以上の量は通過できません。
どんなに巨大な砂時計でも、くびれている部分の太さにより、落ちる砂の量は決まります。
これがボトルネックです。
これを、工場などで考えてみましょう。
A工程 → B工程 → C工程を経て、製品が造られるとしましょう。
それぞれ、毎日処理できる数は以下のとおりです。
A工程(10) → B工程(5) → C工程(7)
この場合、この工場が一日に完成させられる製品は、いくつでしょうか?
5個ですね。
他がどんなに処理数が多くても、B工程では5個以上処理できません。
結局、この工場の最大製造能力は、B工程によって決まる、ということです。
これがボトルネックの考え方です。
では、この工場の処理能力を上げたい時には、どの工程を改善すれば良いでしょうか?
当然、B工程です。
B工程を、現在の5から7にあげれば、他はまったく改善しなくても、最大処理数は7になります。
A工程(10) → B工程(7) → C工程(7) →7個完成
逆に、仮にA工程の処理能力が20になっても、C工程が10になっても、B工程が変わらなければ、処理数は増えません。
むしろ、A工程で20処理したうち、B工程で処理できなかった部分については仕掛としてB工程の前に滞留します。
そうすると、
・投入した材料費が仕掛として眠り、キャッシュフローが悪化する
・仕掛を保管するスペースを無駄に必要とする、工場が煩雑になり導線が悪くなる
・A工程を稼働する無駄なコストが発生する
などの弊害が生じます。
したがって、ボトルネックがある場合には、ボトルネックを改善することが唯一の解決法です。
他をいくら改善しても、無意味です。
むしろ、弊害が発生します。
このような考え方を、「全体最適」といいます。
逆に、各工程の効率を上げることを、「部分最適」といいます。
多くの経営者は、部分最適に目が行きがちです。
つまり、各工程の処理能力を上げることに力を入れるのです。
人手を余らせない、
機会を遊ばせない、
一度段取りを組んだらできるだけ変更せず多くの製品を作る(確かに効率は良いです)、などです。
しかしこれは部分最適の話であり、部分最適では工場全体の生産力が上がらないのは既に見たとおりです。
部分最適ではなく、ボトルネックを発見し解消することで全体最適を目指しましょう。
ボトルネックの解消法については、また別の記事でご紹介します。
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