「利益が出ているのにお金が無い」3つの理由とは?
2013.01.03 更新
決算書を見ると利益が出ている。そして、税金も納めている。
なのに、いつもお金が無い・・なぜだろう?と疑問の方も多いと思います。
理由は大きくわけて3つあります。
①損益計上のタイミング差
まず第1に、「売上」や「仕入」として計上するタイミングと、実際に支払いをするタイミングとの差が原因です。
通常、売上や仕入として計上するのは商品の納品時です。
この時、代金の支払いも同時に行われていれば良いのですが、通常は売掛や買掛にしますね。特に事業者間の取引の場合は。
そうすると、損益計算の上では売上として計上されているにもかかわらず、入金は後日です。
この状況のまま決算期を迎えると当然、利益は出ているがお金が無い、という状況になります。
特に、売上の代金を手形でもらうと、受取手形の決済は数ヵ月後のケースが多いですから、資金繰りは厳しくなります。
逆に手形で支払いをすれば、支払いを数ヵ月後まで伸ばせるので、資金繰りは楽になります。
②借入金の存在
第2に、借入金の返済が、決算書上の利益と手持ち資金との齟齬を生みます。
借入金の返済は、利益には影響しません。
例えばある年に100万円返済したとしても、その分利益から100万円引かれるわけではありません。
利益が出て、税金を納め、残ったお金から返済するものなのです。
したがって、仮に莫大な利益が出ていたとしても、それを上回る返済があれば、資金は厳しくなるでしょう。
※逆に、借入を起こし、手元に資金が入ってきたとしても、それには当然税金はかかりません。
たいていの零細企業がいつもお金が無い、と言っている原因は借入金の返済と決算書とのリンクができていないためではないでしょうか。
③設備投資
第3に、設備投資です。例えば、機械を購入したケースを考えてみましょう。
ある年に、400万円の機械を購入したとします。
その場合、400万円全額をその年の費用にすることはできません。「減価償却」の限度のみです。
したがって、キャッシュは400万円出ているのに、費用としては減価償却の100万円しか計上されない、ということになります。
もし利益が出るとすれば、キャッシュは減り、税金は取られる、とダブルパンチになります。
もちろん、来年度以降はキャッシュは出ていないにもかかわらず「減価償却費」を費用に計上できますが、
基本的に日本の減価償却の期間は長いです。実態にそぐわない期間かけないと償却できません。
そんな先の話より、目先のキャッシュの方が重要というのが本音でしょう。
さて、「利益は出ているのにお金が無い」原因、お分かりいただけましたでしょうか。
別のテーマで、対処法等をお伝えします。
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