円滑化法終了後の金融機関の対応について
2013.04.21 更新
25年の3月いっぱいで、中小企業金融円滑化法の期限が切れました。
念のため解説しておきますと、中小企業金融円滑化法とは、
「金融機関は中小企業や住宅ローンの借り手の申し込みに対し、できる限り条件変更を行うように努める」
ことを定めた法律です。
要するに、業績悪化等により銀行への返済が厳しくなった事業者は、
銀行と協議の上で返済条件を見直してもらえる、というものでした。
以前の私の記事「今月いよいよ資金が回らなくなった場合の対処-その4」にも書いてありますが、
この法律により、リスケジュールの申し込みをすれば金融機関はほぼ応じてくれていた、という状況でした。
この法律が25年の3月いっぱいで切れるため、さてどうなるのか、
リスケに応じてもらえなかったり契約どおりの返済を求められるために
倒産企業が激増するのではないか・・との懸念が出ていました。
結論として、私のお客さんの事例では、4月になっても銀行の対応は変わっていません。
このお客さんはすでにリスケ中でした。
ちょうどリスケをして6か月経ち、再度返済条件を見直ししましょう、という時期だったのですが、銀行のほうから
「リスケ期間を延長するので、資料をそろえて持ってきてください」
とあっさり言われました。
3月以前から専門家の間では言われていたことですが、円滑化法が切れることにより、
金融機関の対応が急激に厳しくなる、とは思えません。
金融庁も、
「金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきということは、
円滑化法の期限到来後においても何ら変わりません」
という方針を出しています。
今後も、リスケの申請や延長などは柔軟に対応してもらえると考えられます。
参考資料:金融庁ホームページより
http://www.fsa.go.jp/news/24/ginkou/20130222-1a/01.pdf
とはいえ、円滑化法という法律はすでに切れていることは事実です。
また、政治的な話として、参院選まではイメージダウンを避けるために倒産を増やすようなことはしないが、
その後は本格的に淘汰が始まる・・などという噂も聞いています。
「どうせリスケできるんでしょ」
などと油断せず、今のうちに必死で業績を回復させましょう。
本来は返済しなければならないものだ、ということを忘れないようにしてください。